飛騨産業のSDGs

飛騨産業SDGs宣言2021年9月30日

当社は、おかげさまで2020年に創業100周年を迎えました。100周年を機に、次なる100年も世の中に必要とされる企業としてあり続けるため、新たなビジョン「匠の心と技をもって飛騨を木工の聖地とする」を『志』として定め、大切にすべき想いと行動を「人を想う」「時を継ぐ」「技を磨く」「森と歩む」という『4つの価値観』にまとめました。

私たちは、2015年に国連で採択された"SDGs"を『志』を実現するための重要な柱と位置づけ、17の目標の中から4つの重要項目を選び、『4つの価値観』に基づく企業活動を通じて、100年後の子供たちに夢のある地域とすばらしい環境を残したいと考えています。

代表取締役会長岡田 贊三

代表取締役会長 岡田 贊三

SDGsとは

SDGsとはSustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」を意味します。2015年9月に国連サミットで採択された持続可能でよりよい世界を目指すための2030年までの国際目標です。17のゴールと、詳細に記した169のターゲットで構成されており、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。発展途上国のみならず、先進国自身が取り組む普遍的な目標で、日本でも積極的に取り組んでいます。

SDGs

これまでの取り組み

飛騨地域に豊富にあったブナを活用すべく、家具メーカーとして創業した先人の想いを胸に、家具に使用されず廃棄されてきた節材や枝の利用、家具に不向きな杉を研究して圧縮し、木部や枝葉からは樹液を抽出するなど、限りある資源を余すことなく活かす取り組みを行なっています。また、製造した商品を永く愛用していただけるよう修理体制を整え、伝統の心と技術を受け継ぐ職人を育てるため、飛騨職人学舎を設立するなど、後世への技術の継承にも力を注いでいます。地域に根ざし森林資源を活用する企業としてこれまで当社が独自に行なってきた、環境に配慮したものづくりと技術を継承しイノベーションする取り組みは、SDGsの掲げる目標とも通じるものがあります。

4つの価値観と取り組み
これまでの取り組み

飛騨産業が掲げる4つの価値観とSDGs

当社の掲げる『4つの価値観』は、「人を想う」と「森と歩む」、「時を継ぐ」と「技を磨く」の2つの軸から成り立ちます。
木工のプロフェッショナルである職人として想いを馳せる「人々の生活」≒「人を想う」と、「自然という原材料の供給源」≒「森と歩む」の2つがSDGsで目指す目標と共鳴すると考え、特に親和性の高い以下4項目を選び出しました。

4つの価値観とSDGs

「人を想う」価値観と共鳴

「森と歩む」価値観と共鳴

ジェンダー平等を実現しよう

5 ジェンダー平等を実現しよう

人を想う

男性社員の育児休業取得率向上

当社では育児休業の取得を推進しており、近年、女性社員の取得率は100%です。また、育児休業を取得した女性社員の多くは仕事へ復帰し、2人以上の子供をもつ家庭も少なくありません。しかし男性社員で育児休業を取得した社員は、これまでほとんどいませんでした。共働きの家庭が増えている現代において、家族と過ごす時間を大切に、夫婦で協力しながら仕事と育児・家事を行なえるよう、男性社員への育児休業取得を促す体制づくりを進めます。

男性社員の育児休業取得率向上
女性の活躍できる職場づくり

当社では全社員のうちおよそ3割を女性社員が占めます。しかし、管理職に就く女性はまだまだ少ないのが現状です。男性役職者へは相談しにくい悩みへの対応や、女性ならではの感覚や気付きなど、女性社員が増えるにつれて女性役職者の活躍が期待されます。未来の管理職の比率向上に向けて、女性役職者の割合を現在の13.7%から18%へ上昇させることを目標に掲げています。

女性の活躍できる職場づくり
女性活躍・両立支援について

働きがいも経済成長も

8 働きがいも経済成長も

人を想う

働き甲斐のある職場づくり

新たな『志』と、『4つの価値観』の社内への浸透施策として、職場を横断して対話会を行なっています。この対話会を通して、それぞれが思っていることや感じたことを発表し合い、社員同士の問題意識の共有・解決を目指し、働き甲斐のある職場づくりへ反映させていきます。

働き甲斐のある職場づくり
障がいのある人も、働ける職場づくり

当社の工場では、現在8人の障がいのある社員が働いており、それぞれの人に応じた、得意なことを活かせる職場づくりを目指しています。みんなが活躍できる会社を目指し、目標値を現在の2%から5%に増加することを目指します。
また、障がいのある方が働く施設への業務委託も積極的に行なっていきます。

障がいのある人も、働ける職場づくり

つくる責任つかう責任

12 つくる責任つかう責任

サブスクリプション事業の開始

多くの方に当社の家具の良さを知っていただくため、2023年度中にサブスクリプションを利用した家具のレンタル事業の開始実現を目指し、準備を進めていきます。

サブスクリプション事業の開始
自社製品に対する修理体制の維持

当社は100年という歴史の中で、さまざまな商品を生産し、世に送り出してきました。老舗メーカーの責任として、自然からの恵みである木を扱う企業として、これまでに生産した商品の修理を承っています。家族と共に過ごした時間や想い出が刻まれた家具を修理することで、また新たに息を吹き込み、これからも共に過ごせるような体制を維持し続けます。

自社製品に対する修理体制の維持
修理に関して

陸の豊かさも守ろう

15 陸の豊かさも守ろう

森と歩む

国産材・未利用材利用の推進

日本の山に多く植林され、強度面で家具には不向きであった杉を家具に利用するべく、研究を重ねてきました。また、節や枝などのこれまで使用されてこなかった材料を利用した家具も積極的に生産しています。林業が活性化され日本の森林の整備や育成に繋がるよう、国産材や未利用材の利用を推進していきます。2030年には製品の50%を国産材・未利用材の製品にすることを目指します。

国産材・未利用材利用の推進
未利用材の活用について
「バイオスティミュラント資材」「芳香蒸留水」「エッセンシャルオイル」の販売拡大

原木から家具になる部分はおよそ3分の1です。それ以外の部分はチップ燃料に加工されたり、枝打ちした枝葉は森林に放置されたりしています。当社では1本の木を余すことなく活用するため、樹液抽出をする研究所を構えました。そこから生まれた商品を販売拡大していくことで、未利用材の利用促進に繋げます。

「いくまい水」「芳香蒸留水」「エッセンシャルオイル」の販売拡大
きつつき森の研究所について