国産材家具への想い

代表取締役社長 岡田 明子

飛騨産業は1920年に、地域に眠る豊富なブナ材を活用した曲木椅子を作る目的で創業しました。

戦後は日本の経済成長とともに飛騨の家具産業は著しい発展を遂げましたが、一方国産材は枯渇し、1970年を境に輸入材への切り替えが始まります。以降円高も後押しし、2000年には殆ど輸入材に頼る状況になりました。

同年に私の父(現会長 岡田贊三)が社長に就任すると、なぜ日本には杉の木がたくさんあるのに家具づくりに使用しないのか?という疑問から、山に放置された杉材を使う試みを始めました。2005年には家具には使用が難しいとされていた杉材の硬度を上げる圧縮技術を開発し、イタリアデザインの巨匠エンツォ・マーリに家具のデザインを依頼しました。

私は2022年に社長に就任しましたが、父の想いを受け継ぎ、杉をはじめとする国産材を活用する家具の開発はもちろんのこと、間伐材や枝葉から抽出した樹液を使ったアロマ製品の開発などを積極的に手掛けました。その結果、現在の国産材製品売上の比率16%まで回復しましたが、さらに2030年には30%に高めることを目指しています。

日本の地域の木材を使うとき、そこには顔の見える関係が生まれ、地域で循環する経済が生まれます。私たちの100年の歴史の中で、日本の森とのつながりが途切れそうになったこともありましたが、森に生かされ、森と歩む企業として、そのつながりを地道に結び直す取り組みを続けて参ります。

また、皆様には私たちの自信作である個性豊かな国産材のシリーズを、是非お店で見て、触れて頂き、森の恵みのある暮らしの豊かさを感じていただけたら嬉しいです。HIDAならきっと理想の暮らしが見つかると思います。

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