技を磨く
技術の研鑽と発展 曲木
曲木家具の歴史
曲木家具は、およそ180年前にミハエル・トーネットが考え出した、木を蒸して曲げる表現技法を使った家具です。優雅で美しい曲線を作り出すのはもとより、木理を通すことで、強くしなやかな形状を作り出すことができ、さらに削り出す加工に比べ、木材を無駄なく利用できる、用と美を兼ね備えた技法といえます。
飛騨産業では大正9年(1920年)に、それまで無用とされてきたブナ材の活用に着目し、「飛騨の匠」で知られる伝統技術を基に町の有志たちが西洋の曲木椅子をつくり始めました。以来100余年、日本の曲木家具の先駆者として、数々のロングセラーを世に送り出し続けています。
曲木家具の歴史
飛騨産業は、「台輪曲げ」「手曲げ」「ホットプレス曲げ」「プレス曲げ」「電乾曲げ」の5種類の曲木技術を持っています。材料や曲げたい形状に応じてそれぞれを使い分けています。例えば「プレス曲げ」は厚みのある材料を大きく曲げるのに適しており、ヤナギチェアの背受けなどを曲げています。
台輪曲げ
手曲げ
ホットプレス曲げ
プレス曲げ
電乾曲げ
曲木工程
木材を蒸煮する
木材を釜にいれて蒸煮します。木材は高含水率・高温度状態で軟化します。
そのため木材は柔らかくなり、曲げ加工しやすくなります。
曲げる
曲げるのに適切な含水率と温度になったところで釜から材料を取り出します。
木材を曲型に固定してプレスします。曲型に固定することで木材繊維が伸び割れることを防ぎます。
乾燥
帯金に固定したまま木材を乾燥させます。
乾燥後、帯金から木材を外すと曲がったまま形状が固定化します。