技術の研鑽と発展 切削
さまざまな切削技術の導入
切削とは様々な工具を使用して、材料を削って加工する技術です。飛騨産業の椅子の座り心地の良さや美しさは、高度な切削技術に支えられています。100年余りの歴史の中で生産性の向上と品質安定のために試行錯誤し、各部品に合った切削機械を開発・導入してきました。また、自社内に刃物職場を完備し、常にメンテナンスされた刃物を使用する事ができるため安定した品質を保つことができます。
ロクロ機
ロクロ機は、回転する刃物で水平軸に取り付けた丸棒を色々な形状に削る機械です。椅子の脚や意匠的な部品なども、このロクロで成形しています。ロクロは刃物の形や組み合わせ方によって、さまざまな形の部品を削り出すことができます。
コッピング機
コッピングは「倣面取り加工」といって、材が並べられている真ん中にモデルがあり、それをガイドに両隣の材が削られていきます。加工する部品は複雑な形状の椅子の肘木などがメインです。形状が複雑になるほど、通常の設備では製作工程が多くなってしまい、どうしても削りきれない部分が出てきます。コッピング機を使用することにより、そのような点が解消され、加工後は磨きを行うだけの形状にまで仕上げることができます。
NC加工
NCとはnumerical controlの略で、数値で縦方向や横方向(X・Y軸、Z軸方向)の動きを指令する制御方式のことです。それぞれの部品の形状に合わせてあらかじめ削り方や刃物の動き方を考慮してプログラミングされたデータを入力し、刃物をセットすると自動的に木材がカットされ、部品が削り出されます。
NC加工によって美しく削り出された椅子の背もたれ
座繰り加工
飛騨産業の椅子には、座面も天然木で作られてた板座の椅子の商品が多くあります。それは、布張りの座面に負けない座り心地を実感していただける自信があるからです。その座り心地のひみつは、座面をお尻の形に合うように加工した「座繰り」にあり、自社で開発した加工機械でその形状を効率よく削り出します。形状は刃物を交換することにより変えることができ、現在は5種類の形状があります。