技を磨く
技術の研鑽と発展 木組
受け継がれる木組
「木組」は、昔から寺社仏閣などの日本建築の構造に使用されている、木の特性を活かした釘を用いない伝統的な接合技術です。飛騨産業では家具の部位によって「ほぞ接ぎ」や「フィンガージョイント」、「石畳組接ぎ」など、用途に合わせた接ぎ手を用いることで、耐久性や意匠的に秀でた家具づくりをしています。
ほぞ接ぎ
部品の端を削り出した「ほぞ」と呼ばれる突起部と、そのほぞを差し込むためのほぞ穴を作り接合するもので、建築物から家具に至るまで、広く使われている基本的な接ぎ手です。「ほぞ」と一言に言っても、その種類は「角ほぞ・太柄ほぞ・丸ほぞ」など10種類以上あります。角ほぞは接合面が広く強度が得られ、接合部もきれいに仕上がるため、椅子の脚部などによく用いていますが、その加工によって強度が落ちてしまう部分や強度を必要としない箇所には丸ほぞを使用するなど、構造に合わせて使い分けます。
フィンガージョイント
フィンガージョイントは名前の通り、指のように接着部をジグザグに切削し、接ぎ合わせる方法です。この方法も、接合面が広く強度が得られるため、椅子の背もたれから肘へ繋がる部品の接合などによく用いています。
石畳組接ぎ
接続面を凹凸に欠き取り、凹と凸の部分が合わさるように直角に組む技法です。キャビネットの引き出しなどに用いており、側面に組目が見えるのが特徴です。組目の幅と板の厚みが同じで組目が正方形になる場合はあられ組み接ぎといいます。