飛騨の森散策ツアー

2021年6月20日に飛騨の森散策ツアーを開催しました。
このツアーはきつつき森の研究所のアロマがどのような過程で生みだされているかを体感していくイベントです。

飛騨の森の中を歩き、家具やアロマに使われている樹木について学びながら、アロマの原料となるクロモジの枝葉を実際に採取。その後、「きつつき森の研究所」にて蒸留過程を見学し、蒸留したばかりのクロモジの蒸留水の香りを楽しんでいただきました。

 


飛騨の森の植物について

ツアーの案内人は森林についての知識が豊富な社員が担当。山や森についての話を聞きながら森の中をすすみます。岐阜県は南北に長く、また標高の差も大きいことから非常に多種多様な自然を見ることのできる地域だということが日本全体の森林分布図を見ても分かります。飛騨産業本社から30分程度離れた場所にあるこの森には、家具の材料となるミズナラやコナラ、ブナ、クリ、スギ、ヒノキ、アロマの原料となるクロモジやニオイコブシが生えています。樹木を見分ける時に1番重要なのは、葉の形や付き方、葉脈のはしり方を見ることです。

 

今回はアロマの中でも希少価値の高いクロモジを中心に、飛騨の森に生えている植物について学びました。

森の中では獣害の跡もみつけました。近年、温暖化による積雪量の減少からシカの頭数が増加していることや、人のあまり入らない里山林が増えたことで、人里近くに生息する野生動物が増えています。シカやクマに傷付けられた幹の部分から木が枯れたり、カビが生えてしまうと、材の価値が各段に落ちてしまいます。こうした獣害対策も林業にたずさわるものとして重要な課題です。

本日の大本命、クロモジが現れると皆それぞれに剪定ばさみで枝を切り、匂いを嗅ぎます。クロモジは香りのよい成分(リナロール)を含んでおり、とても爽やかでスッキリとした香りです。また、香りに含まれるリナロールはリラックス効果がとても高いとも言われています。

クロモジ(黒文字)は字のごとく幹に墨で文字を描いたような模様があります。実はクロモジの中にも様々な種類があります。生えている地域や葉の細かい違いなどを図鑑で調べながら見分けていきます。しかし、人間でもいろいろな体型の人がいるように、植物の葉も図鑑通りの形をしていることはありません。種類を見分けるには、これまでの経験値も重要な判断材料となります。

クロモジには抗菌や消炎効果があるため、お茶やのど飴などに使われることもあります。今回はその場で採取した幹と葉っぱでクロモジ茶を愉しみました。

採取した植物を蒸留する

一通り樹木について学んだ後は、研究所に移動して高圧水蒸気蒸留法の見学をします。あまり知られていませんが、きつつき森の研究所の精油や芳香蒸留水の多くは、今回と同じように、研究員自ら山で採取してきた植物を蒸留してつくっています。

 

採取された植物は粉砕され、圧縮を行う容器の中に詰め込まれます。その後、蒸して圧力がかけられます。すると、植物から抽出された水分が瓶の中に流れ落ちてきました。これが豊かに香る芳香蒸留水なのです。

採れたての植物の香り

参加者には採れたばかりのクロモジから抽出した芳香蒸留水が配られました。採れたては熟成されたものとはまた違った、フレッシュな香りを楽しむことができます。また、リナロールが多く含まれるクロモジは、爽やかな香りで身体の抵抗力回復、免疫力の向上、自律神経を整える効果があるといわれているそうです。

飛騨産業(きつつき森の研究所)がつくる芳香蒸留水やエッセンシャルオイルは、スギの家具を作る際の木材圧縮技術を活かした高圧水蒸気蒸留法という製法を用いています。

飛騨の森散策ツアーを通して

大切な資源である植物を、葉も枝も余すことなく使っていきたいという思いが込められている飛騨産業のアロマ。飛騨で生きる樹木がアロマに姿をかえて、私たちの暮らしを豊かにする。森が豊かだと暮らしも豊かになる。
このイベントでその想いを感じとっていただけたのではないでしょうか。

今後も、このようなイベントをきつつき森の研究所の思いをお伝えする場として続けていきたいと思います。


エッセンシャルオイル
クロモジ枝葉木部

WEB限定販売の和精油です。国産の樹木から抽出した100%天然・無添加。きつつき森の研究所のメンバーが採取から抽出まで行っています。日本の美しく豊かな森から生まれた、木々そのものの香りです。

 

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