悠久の森と飛鳥時代から続く匠文化を背景に、大正9(1920)年、
地域の発展を願う有志が、「無用の長物」とされていたブナを活かし、
曲木家具づくりをはじめました。先人たちのひたむきな努力と挑戦により、
飛騨は日本を代表する家具の産地へと発展しました。

匠の心と技とは、人を想い、時を継ぎ、技を磨き、森と歩むこと。
節や杉の魅力を引き出した家具を世の中に送り出してきたように、
これからも私たちは森林資源への探究を重ね、その活用を牽引し、
木の温もりある暮らしをお届けしたいと考えます。

新たな創造を可能とし、その魅力を求めて人々が集う場所へ。
創業の地である飛騨を「木工の聖地」とすることが私たちの志です。

創業100 年を契機に、改めて自分たちが何者なのかを自問自答し、
「企業としての事業方針」「製品・サービスの展開カテゴリー・開発方針」「社員1 人1 人の行動指針」など、
様々なレイヤーにおける普遍的な考え方を全て包括するものとして、
「4 つの価値観」という形に整理、言語化しました。

  • 4つの価値観4つの価値観
  • 4つの価値観4つの価値観
  • 4つの価値観4つの価値観
  • 人を想う

    1920年、飛騨産業は飛騨の山々に使われないままにあるブナの木を有効活用して椅子を作ることを目的に創業しました。そこには地域に産業を興し、人の営みを豊かにするという強い想いがあり、現在の家具づくりにもつながっています。家具は単なる道具ではありません。人の暮らしと共にあり、家族や大切な人たちの想いがこもるものです。そのため強度や品質はもちろんのこと、素材を吟味し、使い勝手や座り心地を追求し、お使いいただく人のことを考えながら作っています。販売においても、直営店や全国に広がるHIDA PARTNERS店でじっくりお選びいただけるように、またご購入後も安心してお使いいただけるように修理も受け付け、しっかり直してお届けしています。飛騨産業は地域に根ざし、作る人・売る人・お使いいただく人にご満足いただけるものづくりを目指しています。

    商品ライン

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    使う人を想うこと、ものづくりはここから始まります。
    座り心地、使い心地、居心地など、いろいろな心地が満たされる、
    お客様の笑顔が続くものづくりを育みます。

  • 時を継ぐ

    養老二年(718年)に編纂が始まり、天平宝字元年(757年)に施行された「養老賦役令斐陀国条(ようろうぶやくりょうひだのくにじょう)」という条例に、斐陀(飛騨)国の税を免除する代わりに、匠丁(木工技術者)を都へ派遣するように書かれています。平城京の跡地から出土した木簡には「斐陀(飛騨)工」が都の造営に従事していたと記されています。飛騨の匠は朝廷の要請により、都造りに貢献していたのです。これまで、税となる米の代わりに労働力を提供していたと考えられてきましたが、近年では、高い木工技術に目を付けた権力者たちが、税を免除してでも動員したかったという説が有力です。飛騨の匠とは、一人の傑出した職人を指すのではなく、木取りをする者、鉋(かんな)で削る者、仕口を刻む者、あるいは飯を炊く者まで、それぞれの役割を専門で担う職人の総称であり、力を合わせて活動していました。飛騨の匠の心と技術を受け継ぐ飛騨産業は、集団としての精神と規律、そのなかで継承されてきた技術を大切にしながらものづくりをしています。

    商品ライン

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    先人たちが生活の中から生みだし、大切に育んできたかたちや思想。
    私たちはそうした伝統を大切に受け継ぎ、お客様の心へ届けます。

  • 技を磨く

    「作」という文字は、木の枝を曲げて家の垣などをこしらえる意味をもつ「乍」に「人」を加えて生まれました。そんな字源に背中を押されるように、飛騨産業は創業時から曲木技術の改善改良に留まらず、切削のためのルーター機やロクロ機の独自開発、加熱圧縮技術による針葉樹の高強度化など、技術の革新を積み重ねながら日本の木工産業を100年牽引してきました。その根底にあるのは、飛鳥時代より続く飛騨の匠の心と技術を大切にしたいという心意気です。工場には人の手による工程と機械加工のラインが共存しています。製材・木取りに始まり、部品加工から細かい研磨や組立て、塗装仕上げに至るまで、どれだけ機械化が進んでも人の五感を尊重する手仕事がものづくりの基本です。なぜなら天然の木材は、多様性に富む森の恵みだからです。飛騨産業は、飛騨の匠の心と技術を受け継ぎ、その思想と誇りを胸に、日々技を磨いてまいります。

    商品ライン

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    高度な技術に支えられた美しいプロダクトの数々。
    そこには最高のものづくりに関わる情熱と誇りがあります。
    お客様の心に響くものづくりのために、絶えず技術の研鑽に努めます。

  • 森と歩む

    100年後の子どもたちに美しい森を残すには何ができるだろうか。飛騨産業は家具メーカーとして、この課題に取り組んできた先駆者です。戦後、生育が早いという理由でたくさん植えられた杉。その大半が伐期を迎えていながら、建築工法の変化や安価な輸入材の普及により林業が衰退し、ほとんど活用されることなく放置されています。飛騨産業では、常識にとらわれない技術・デザインの研究開発により、邪魔もの扱いされている杉に新しい価値を見いだし、製品化を進めてきました。近年、日本でもようやく建築物等における木材の利用の推進に関する法律が施行されるなど、針葉樹を中心とした国産材の活用が始まっています。家具や建築に国産材が用いられるということは、日本の林業が再び活性化するということ。林業の活性化は、森に手入れが行き届くことを促します。飛騨産業は、国産材や節のある材を使うことで、森と歩み、未来の「美しい森づくり」へとつなげていきます。

    商品ライン

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    ブナの森が近くにあることで創まった私たちのものづくり。
    森を想い、素材と向き合い、
    未来へと繋がる持続可能なものづくりを追求します。